大敗録

2005.2.19

劇場版「AIR」を観た

ネタを山ほどバラすので、これから観ようと考えておられる方は要注意です。


まず登場人物全員の性格が原作と違いすぎ。みんな無闇にテンション高い。国崎最高はDQN風味だし、観鈴ちんなんて、人と親しくなると体が痛くなり熱くなる呪がかかっているというのに「もっと恋人みたいにしてもいいのだよ」とか言ってくるし。

いやいや、原作と違うからダメだ!!と一律に決めつけるのは厨のすることだから、俺だって「これはAIRとは違う作品だ」と思って観ようとも試みた。しかしながら、そうすると1000年前の話(Summer)と現在(Dream、Air)とのつながりが見出せなくなってしまう。Summer編はただの民間伝承の説明に過ぎず、観鈴ちんは神奈と偶然(もしくは神奈と自分を同一視したことに由来する)よく似た症状で死去、国崎最高はどうしてか知らないが人形を自在に動かす力があるということになる。いろいろと宙ぶらりん。翼人伝承と観鈴ちんを繋げるものは原作の知識しかない。原作に沿った見方をすることも原作を去ることも困難なのである。

どうせ90分の映画、原作の要素をあまさず盛り込むなんて土台無理なのだろうから、もっと破壊すべきは破壊し尽してしまったほうが好もしいものになったのではないか。設定や「大道具」を一から新調するのは骨だとは思うけれども。


とはいえ、「Airに似た何か」と割り切ってしまえば、かなり「楽しい」作品であったのも事実である。「無駄に熱い」という一点で、世界観はきっちり統一されている。「Air」の演出として所謂「出崎演出」――陰影を強調した止め絵の多用、3回パンなど――は正直全く合っていなかったが、「Air的な何か熱いもの」の演出としてはこれ以上なくかっちりと嵌る。ブラックアウトモノローグは目に優しい。3回くらい挿入される戦いのドラムの乱打も最高。テンション上がりまくソ。「あのうみ~」(『青空』)すらも勇壮な曲に聞こえる。そりゃあ柳也は斬り死にせにゃあ納得しない、観鈴ちんは止め絵でゴールせにゃあ丸く収まらない。何故か、映画館を出た俺のボルテージは異様に高まっていたという。

ということで「うはwwwwwwwwwwwクオリティ高すぎwwwwwwwwwwwwww」とか言いながら観られる環境で観るのが良いと思う。亜米利加人とかに受けそう。ハリウッドで実写化してもいいかも。

23:12 | アニメ | Comment (0) | TrackBack (0)

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