2005.5.22
英國戀物語エマ #8 「時計」
ストウナーさんが……という回。原作では描かれなかった「その瞬間」に至るまでを時計と絡めて丁寧に描いた。……のだが、どうなんだろう。あくまでシーンそのものは決して悪くなかったのだが、「その瞬間」の、たとえば涙を流すエマ、とかを描いたこと自体が構成・演出として若干原作に劣るかなー、とか考えてしまった。
というのも、アニメ版は原作に比し、演出が総じて「贅沢さ」に欠ける、という印象が拭えないのである。今回の、ウィリアムパパがウィリアムに説教するシーンについても言えるのだが、どうも画面が単一的一面的といいますか。原作だとひとつのシーン(着替えなど)でカメラが寄っては引き、右へ左へ回りこんで、ページ数コマ数(=書き手が想定する「時間」)をたっぷりと掛けて描いたりする一方で、今回のストウナーさん臨終の瞬間などはばっさりと切り捨てる、という構成を取っているのがなんとも贅沢で豊かな印象を残すのである。だがアニメ版はあんまりカメラがぐいんぐいん動いたりしないし…。見せるところを十二分に見せ、時には大胆に切る、というダイナミックな構成が「エマ」という作品の魅力だと思っているのだが。同じ作品とはいえ媒体が違う、ゆえに「時間」の扱い方(「扱え方」といったほうが適当か?)が決定的に異なるものを比較することがそもそも不当だ、ということも重々承知してはいるが、どうしても両者の差は痛感してしまうのだ。
あとコリンきゅん♥がうつむく場面で、それ以前の正面向きの顔は良好だったのに、うつむく過程とうつむいた状態での顔の画がヘタレてしまったのはいささか興醒めだ。こういったことも、漫画媒体ではあり得ないことだけに難しい問題ではある。
15:35 | アニメ | Comment (0) | TrackBack (0)
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