大敗録

2005.6.19

交流戦優勝を見届ける

行ってきました明治神宮野球場。

まずは6月14日。両軍の先発は「ロリエース」小林宏に、対し「種田の金城の桟原」ガトームソン。ガトームソンはこれまで3試合に先発し、わりと試合を作っている好投手である。2軍では炎上してたらしいのに。

1回は特に何事もなく終了するものの、試合が動いたのは2回。ベニー・フランコの連打、李承燁の四球(タイムリーは全く期待しなかった俺。李は最高の仕事をしたと思う)で無死満塁とすると、今江の併殺の間にベニーが還りまず先制点。続いてはロッテ投手陣屈指の強打者小林宏、レフトフェンス直撃のタイムリーで2点目。

4回には橋本のソロHR、2323福浦のタイムリーで2点、5回には今江・小坂・西岡のタイムリー2ベース3本で4点を加点。この時点で球場は早くも「勝負あった」モードに移行。雰囲気が多少ダレてきたが、小林宏はそれでもヤクルト打線を2点に抑え見事完投勝利を決めた。

この試合はこの試合でよかったのだが、さらに思い出深かったのは17日の試合である。15日は小野晋吾を先発させるものの、ラミレスの適時打、岩村の2ランで3失点を喫し降板。打線は初回に1点を取るものの、その後は何となく抑え込まれ、もたもたと攻撃するうちに追加点を奪えずあえなく敗戦。この時点での交流戦成績が23勝11敗1分けとなり、残る1試合で敗北すると交流戦単独優勝が叶わなくなる。そんな状況で迎えた大事な1戦、それが17日の試合であった。

14日の観戦を終えた時点で、俺の「生観戦成績」は貯金1。それまで5割で推移してきたことを考えると、ここで俺が観戦しに行ってしまうと負ける公算が低くない。しかし、わりと近所の神宮球場でこれほど「熱くなる」試合が見られることは滅多にあるまい、と思った俺の足は否が応にも地下鉄銀座線の駅へと向かうのであった。

ロッテの優勝を眼前で見たくないヤクルトの先発は、青春時代をマリンスタジアム右翼スタンドで過ごした生粋のロッテファン・川島。先日そのマリンスタジアムでロッテ相手に7イニング無失点の勝利を収めたものの、その気持ちは「複雑でした」と語った彼の胸中はいかばかりだったか。負けられないマリーンズ、先発マウンドに送るのは地味エース・清水直行。前回の川島との投げ合いでは1失点完投するものの、打線の援護なく敗戦投手になっている。

初回から今江のファインプレーが飛び出すなど、試合展開は熱い。スタンドの観客も、この展開で盛り上がるなというほうが無理。人見知りの激しい俺でさえ、横に座った小父さんと思わず言葉を交わす。そしてビールや酒まで貰ってしまった。その節はどうもありがとうございました。

さて2回。先頭の古田に四球を与え、続く真中には二塁打を許し走者二・三塁。「サブローなら取ってただろうなあ」という声が俺の後ろから聞こえる。それはそうかもしれないが、この試合ではやはり打力を優先せざるをえず、外野に外国人が3人並ぶのも致し方ないことだ。

次打者城石を三振に取り、迎えるは投手にして打率.500(6-3)の川島。俺は強攻してくるように思ったのだが、ヤクルトベンチのとった策はスクイズ。しかしここはバッテリーがそれを読みきり、バットを空振りさせ飛び出した三塁走者古田を刺殺。これで大きく流れを引き寄せ…たかに見えたが、続くバッター青木にあっさりタイムリーを浴び先制を許す。前回の試合のことが頭に浮かぶ。重い1点にならなければよいが…。

だが、マリーンズもかつてのマリーンズではない。セリーグホーム球場でさまざまな強敵(とも)と戦い、一回り逞しくなっている。その姿を見せつけるように、小坂が安打で出塁し、堀は凡退するものの、続く福浦が放った打球はバックスクリーンすぐ右へ飛び込む逆転の本塁打となったのであった。

野球中継において、解説者が頻繁に口にするワードのひとつに「試合の流れ」というのがある。この言葉、正直結果論から派生する謎の言葉に過ぎなかったりすることがままあるのだが、しかしこの試合、この本塁打で「試合の流れ」とやらが完全にマリーンズ側に傾いたことが、そのとき球場にいた俺にははっきりとわかった。そうとしか言いようがない。球場全体の雰囲気が全く変わり、まるでマリーンズが勝利をほぼ確定させたかのような空気が覆っていた。5回の小坂のタイムリー、9回の李承燁の本塁打(走者がいる状態で打ったのはなんと2度目。その意味ではレアな一打が拝めた)は、効果的ではあったが決定的ではなかった、と俺は感じた。

川井、小宮山、山崎、藤田ら中継ぎ投手がブルペンに勢ぞろいし、8回薮田を送り出す。この光景もなかなか見られるものではなく素敵なものだった。

そして、もうひとつ印象深かった9回。ただでは抑えないのが小林雅。古田・城石に安打を許し一死一二塁、迎えるは代打ユウイチ松元。俺は冗談半分で「ここは四球で満塁策だな」とか言っていたのだが、その言葉は見事に的中、小林は四球を与え満塁になったのは笑えた。本塁打が出れば同点、正直笑っていられる場合でもないのだが、こんな風に「わざと」窮地を作ってから抑えるコバマサは何度も目撃している。何も恐れることはない。事実、彼は青木を三振、宮本をファーストフライに仕留め、見事交流戦単独王者の座はマリーンズの手中に収まったのであったとさ。

そしてレフトスタンドの「5000万」コールを聞きながら家路についた俺だ。

04:01 | 野球 - 千葉ロッテマリーンズ | Comment (0) | TrackBack (0)

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