大敗録

2005.2.21

今日の物件

船戸明里『 Under the Rose 』1.冬の物語 / 2.春の賛歌

19世紀英国の貴族邸が舞台ということで『エマ』とどうしても比較してしまうが、本作は「英國戀物語」ではない。「冬の物語」に関して言えばサスペンスモノか。

作者は「カオスシード」のキャラクターデザインをやっていた人、としてしか知らなかったのだが、本作読了後「やるじゃん船戸タン!!」と思わされた。画力、画面構成、人物描写、世界描写、全て非常に高水準。さらに手に汗握る物語の展開で読ませる。

本作が完了しないと続編『 Honey Rose 』(はにろ)が刊行されないらしいので、船戸タンが描き続けていられる環境を実現してほしいものだ。


あと『エマ』のコリンといい、本作のロレンスといい、少年が尋常でなく「癒し系」である。コリンはウィリアムのヘタレっぷりに対する読者の苛立ちを、ロレンスは刺々しいライナスを見守る読者の殺伐たる心を、それぞれ鎮めてくれる。


今週号のスピリッツ所収の「ラストイニング」という漫画の枠外に、「プロ選手高校野球館」と題して柴原、城島、松中、出口の名が見えるが、彼らの所属チームが「ダイエー」だと。ホークスがソフトバンクに買収されたのっていつだったっけ?

19:23 | 書架 | Comment (0) | TrackBack (0)

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